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都心に存在するという「バー ラルム」は神出鬼没のバー。そこを見つけられることができるのは、
選ばれた人だけ。なぞめいた美人オーナーの出すアロマチックなおしぼりは、その人の心を解き放ち、向かうべき場所へと導いてくれます。今宵、その扉を開けるのは、「あなた」かもしれません。
 
 
第五回 ふたたびの恋

  「いつも思うんですが、人も食材も同じだなあって。本質は変わらないのに、パッケージや育ちによって雰囲気ががらっと変わる。周囲の対応が変化すると、元は同じだってこと、忘れてしまうんですよね」

  痛いところをつかれた。

  12キロの減量に成功して、私の見た目は別人のように変わった。コンプレックスの源であった贅肉を落としたと同時に、私は自信というかけがいのないものを手に入れた。だがその反面、謙虚さと優しさまでそぎ落としてしまったように思う。

  「変わったね」

  と言ったのは隆だけではない。

  昔の私を知る友人や、家族からも指摘されたことがある。

  「変わるって良し悪しですね」

  私は自戒の念をこめてつぶやいた。

  「生きていく限り、変わらないでいることのほうが難しいですよね。芯の大切な部分だけ、変わらなければ、何が変わってもいいって私は思います」

  芯の部分。

  私にとっては隆を大切に思う気持ちだ。自分の気持ちを押し付けることが愛情ではなく、彼の時間や気持ちを大切にすること。私はしばらくの間、そんな基本的なことを忘れていた。


 
葉石かおり
葉石かおり
(はいし・かおり)
エッセイスト
プロフィール
  ラジオレポーター、女性週刊誌の記者を経て、現職に。利酒師、焼酎アドバイザーの顔も持つ。
  「おひとりさま」のエキスパートとして各メディアで活動中。ひとり時間を豊かにする「おひとりさまマガジン」を主宰。
  現在、東京と京都の半々暮らし。
  西陣の老舗呉服屋・宮崎織物とコラボしたメイドイン京都ブランド「和をん」では手ぬぐい、帯ほか、酒小物も販売予定。
  近著に「女利酒師とソムリエールが選ぶ今宵最高の一本」(集英社)がある。
  また京都を舞台にした携帯小説「酒亭 心酔」がブックスレジモにて近日公開。
著作
「日本全国この日本酒がウマい!」
(KKベストセラーズ)
「隠れ酒がうまい!」
(講談社)
*「女は年下男が好き」
(講談社)
「あなたが辞めるといった時、上司は止めてくれますか?〜ゆるキャリのススメ〜」
(講談社)
*「ビバ!!年下婚」
(光文社)
「30代からの結婚がハッピーになれる!」
(三笠書房)
*「かっこいい女はおひとりさま上手」
(PHP研究所)
「実践!おひとりさま道」
(ライブドアパブリッシング)
「女利酒師とソムリエールが選ぶ今宵最高の一本」
(集英社)
「大人の蕎麦屋はここにある」
(集英社)
「産まない理由」
(イースト・プレス)
*は台湾、中国、韓国にて翻訳出版
 
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