00
11
bar
都心に存在するという「バー ラルム」は神出鬼没のバー。そこを見つけられることができるのは、
選ばれた人だけ。なぞめいた美人オーナーの出すアロマチックなおしぼりは、その人の心を解き放ち、向かうべき場所へと導いてくれます。今宵、その扉を開けるのは、「あなた」かもしれません。
 
 
第五回 ふたたびの恋

   良かれと思ってしたことが裏目に出る。

  これまでの私の人生は、万事がそんな感じだった。

  でもまさか「今回はそんなことはないだろう」って思っていたのに、その期待は見事に裏切られた。

  そんな風に珍しくポジティブに考えられるようになったのは、6年越しの恋が実ったからだ。

  隆に恋をしたのは、18歳の誕生日を迎えたばかりの夏。

  ただの同級生が、いきなり恋の対象になったのは、たわいもないことだった。当時、流行っていた恋占いをしている時、仲間の一人が「クラスの男子で、いちばん相性がいいのは誰か占おう」と言い出した。放課後の教室で各自それぞれの相手を選出しては、黄色い声を上げて笑いあった。そして私の番。カードが選んだ相手、それが隆だったのだ。

 「えー、隆なんて趣味じゃなーい」

  眉間にシワを寄せ、口をとんがらせて文句を言った瞬間、

 「オレがどうしたって?」

  と言いながら隆が教室に入ってきた。


 
葉石かおり
葉石かおり
(はいし・かおり)
エッセイスト
プロフィール
  ラジオレポーター、女性週刊誌の記者を経て、現職に。利酒師、焼酎アドバイザーの顔も持つ。
  「おひとりさま」のエキスパートとして各メディアで活動中。ひとり時間を豊かにする「おひとりさまマガジン」を主宰。
  現在、東京と京都の半々暮らし。
  西陣の老舗呉服屋・宮崎織物とコラボしたメイドイン京都ブランド「和をん」では手ぬぐい、帯ほか、酒小物も販売予定。
  近著に「女利酒師とソムリエールが選ぶ今宵最高の一本」(集英社)がある。
  また京都を舞台にした携帯小説「酒亭 心酔」がブックスレジモにて近日公開。
著作
「日本全国この日本酒がウマい!」
(KKベストセラーズ)
「隠れ酒がうまい!」
(講談社)
*「女は年下男が好き」
(講談社)
「あなたが辞めるといった時、上司は止めてくれますか?〜ゆるキャリのススメ〜」
(講談社)
*「ビバ!!年下婚」
(光文社)
「30代からの結婚がハッピーになれる!」
(三笠書房)
*「かっこいい女はおひとりさま上手」
(PHP研究所)
「実践!おひとりさま道」
(ライブドアパブリッシング)
「女利酒師とソムリエールが選ぶ今宵最高の一本」
(集英社)
「大人の蕎麦屋はここにある」
(集英社)
「産まない理由」
(イースト・プレス)
*は台湾、中国、韓国にて翻訳出版
 
  Copyright (C) 2008 OSHIBORI JAPAN All Rights Reserved.